痩せ型さんでも脂肪豊胸は可能?
「痩せているから脂肪豊胸は無理かも…」と相談に来られる方は少なくありません。しかし、経験豊富な医師であれば、少量ずつ複数部位から脂肪を集め、必要なボリュームを確保することが可能です。ポイントは「採取部位の選び方」と「注入計画の立て方」です。
脂肪を取れる部位
痩せ型の方でも、以下のような部位から少しずつ脂肪を集めます。
- 下腹部・側腹部:薄くても1cm前後の皮下脂肪があることが多い
- 内もも・ひざ上:細身の方でも比較的取りやすい部位
- 二の腕・背中:少量ずつの採取に適している
- お尻外側(バナナロール):脚が長く見える副次効果あり
複数部位からバランスよく採取することで、無理なく必要量を確保できます。
脂肪確保の工夫
- 3Dデザイン:体全体のシルエットを見ながら採取と注入を計算
- 少量ずつ複数箇所から採取:一部位に負担をかけず、仕上がりも自然
- 吸引時のダメージを最小化:生着率を高めるため、優しく吸引
2回に分ける方法
一度に大量注入すると脂肪が生着しづらくなるため、痩せ型の方は2回法(ステージド・ファットグラフティング)をおすすめすることもあります。
- 1回目:まずベースとなるボリュームを作る
- 2回目:3〜6か月後に仕上げ注入。左右差や形の微調整も可能
2回に分けることで、より高い生着率と理想的な形を追求できます。
▶︎豊胸再手術のタイミングと注意点|シリコンバッグ入れ替え・脂肪追加注入
痩せ型さんが注意したいポイント
- 採取部位の皮下脂肪が極端に薄いと、採取後の凹凸が出やすい
- 体重を急に減らすと、せっかく注入した脂肪も減りやすい
- ダウンタイムは内出血や腫れがやや目立ちやすい傾向
▶︎シリコンバッグでも自然に仕上がる4つの条件|ナチュラル派のためのデザイン解説
Q&A
Q:痩せすぎでも脂肪豊胸は可能ですか?
A:複数の部位から少しずつ脂肪を集めることで、多くの場合は可能です。必要に応じて2回に分けて注入します。
Q:脂肪が足りないときはどうしますか?
A:一度目で確保できる範囲で注入し、3〜6か月後に再度採取・注入する「二段階法」を提案します。
Q:採取した部位がデコボコにならない?
A:均一に少量ずつ吸引し、周囲と滑らかに移行するようデザインすることで凹凸を防ぎます。
Q:仕上がりはどのくらい維持できますか?
A:生着した脂肪は半永久的に残りますが、体重変動の影響を受けます。大きな減量は避けましょう。
まとめ
痩せ型の方でも、丁寧に脂肪を集め、2回に分けて計画的に注入することで、自然で女性らしいバストを作ることが可能です。当院では年間300例以上の豊胸手術を行う女性院長が、採取デザインから仕上げ注入まで全て担当します。自分に合った方法を知るために、まずはカウンセリングでご相談ください。
参考文献
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Coleman, S. R., Saboeiro, A. P. “Fat grafting to the breast revisited: Safety and efficacy.” Plastic and Reconstructive Surgery 119.3 (2007): 775–785.
Khouri, R. K., et al. “Brava and autologous fat transfer is a safe and effective breast augmentation alternative: Results of a 6-year, 81-patient, prospective multicenter study.” Plastic and Reconstructive Surgery 129.5 (2012): 1173–1187.
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