脂肪豊胸の生着率は体重で変わる?手術後にやるべきこと

〜生着率を上げる生活習慣〜

脂肪豊胸は、自分の脂肪を使ってバストをふっくらさせる方法です。
せっかく注入した脂肪がどれくらい残るか(生着率)は、手術のデザインだけでなく、術後の生活習慣や体重管理によっても左右されます。


脂肪豊胸と体重の関係

注入した脂肪は「生きた脂肪細胞」として体に残るため、
体重が安定している方が脂肪がしっかり定着しやすいといわれています。

  • 体重が減ると → 脂肪も減ってしまう可能性
  • 体重を維持〜少し増やすと → 脂肪が育ちやすく、ボリュームが安定

理想:術後半年までは体重をキープするか、少し増えるくらいがベスト


生着率を上げる生活習慣

ポイント内容
栄養バランス良質なたんぱく質、ビタミンC、亜鉛などをしっかり摂取
水分補給十分な水分で血流を維持
ダイエット禁止術後半年までは体重減少を避ける
禁煙血流を悪化させるため必ず控える
過度な圧迫・摩擦を避ける圧迫着は指示通りに、マッサージは医師の許可後
睡眠成長ホルモン分泌を促進、脂肪が安定しやすくなる

▶︎豊胸手術後の回復スケジュールと過ごし方


リマプロスト(プロスタグランジンE₁製剤)

脂肪の生着には血流が重要です。
リマプロスト(オパルモン)は末梢血流を改善する薬で、脂肪注入後に服用することで生着率が高まるとされています。

  • 血流改善で脂肪に酸素と栄養を届けやすくする
  • 当院では希望者に術後一定期間処方可能
  • 出血傾向や低血圧がある方は要相談

よくある質問(Q&A)

Q1. 術後に体重を増やしてもいいですか?
A. はい。むしろ術後半年は少し増えるくらいが理想です。

Q2. ダイエットはいつからしていいですか?
A. 脂肪が安定する3〜6か月以降なら可能です。急激なダイエットはボリューム減少につながるため注意してください。

Q3. お酒は飲んでもいい?
A. 術後数日は控えてください。むくみが落ち着いてから適量ならOKです。

Q4. リマプロストは必ず飲んだ方がいい?
A. 必須ではありませんが、血流改善をサポートしたい方におすすめです。内服可能かどうかは診察時に確認します。

Q5. 脂肪がしこりになることはある?
A. あります。定着しなかった脂肪がしこり化・石灰化する場合がありますが、当院では細かく注入してリスクを下げています。


論文エビデンス

  • Ørholt M, et al. (2025)
    Long-Term Volume Retention of Breast Augmentation with Fat Grafting Depends on Weight Changes
    → 体重が手術後に1ポイント増加した群で生着率57%、2ポイント増加で85%、体重減少群は22%と有意差あり
    PubMedリンク
  • Hu S, et al. (2024)
    Systematic Review and Meta-Analysis: Volume Retention Rate after Breast Autogenous Fat Grafting
    → 注入量や部位、体重など複数要因が生着率に影響すると結論
    JPRASリンク

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